通っていくる子はみんな何らかの特性を持っている子達です。それもグレーゾーンの。見た目ではわからないしんどさを持っている子達です。学習している様子は本当に普通の個別塾のように見えます。でも、それは、指導者の努力の上で成り立っています。大抵の子どもにとって、きらいな学習をしに来ているんですもの。その子たちをその気にさせるのには、なかなか一筋縄ではいきません。あの手この手を使います。大声や感情的な叱責はもちろんタブーです。
ある日のできごとです。何かいやなことがあって、もう今日はおうちでゆっくりしたい!と思っている子がやってきました。お母さんに連れられて。たぶん無理やり。その子は、マットの上に寝転んで、うーんうーん!といやいやポーズ!優しく声をかけても、勉強に向かう気持ちにはなれないようです。どうしようか・・・!あまり、優しく言い過ぎると、毎回それをしてほしくて、寝転ぶことが習慣化するかもしれません。困りました。
だから、少し離れました。机の方へ行って教材を出しに行きました。でも、すぐには、机には向かいません。しばらく悪戦苦闘。そして、彼の気持ちが向きかけた時に今だ!と背中を押して、座らせました。そんなときは小さな声でささやきます。「大丈夫、大丈夫。」と。(実際はもっといろいろ投げかけました。)最初の漢字は一緒にしました。後ろから体を包むようにして指導。それがいやな子もいます。でも、その子は、安心した顔つきでそれを受け入れたので、そうしました。スキンシップしたりかまったりしてほしい子なんです。そのあと自力で全部課題を終えることができました。
終わった後は、また少し寝転んでいましたが・・・楽しくかくれんぼをしました。「木になるわ!」と言って、鬼をしている指導者のそばで木になりました。指導者もわざと「え?どこに行ったん?」と探し、楽しいひとときを過ごしました。